自分も大切なら人も大切

お釈迦さまの
説いた教え
リターンズ

自分も大切なら人も大切

話し手：関東教区（青年担当）
原田　喜美子さん

その昔(むかし)、インドにコーサラ国(こく)という国(くに)がありました。
ある日(ひ)、王(おう)さまのハシノク王(おう)は、お妃(きさき)のマリ夫(ぶ)人(にん)に尋(たず)ねました。
「この世(よ)の中(なか)に、自分(じぶん)より大切(たいせつ)なものが見(み)つからないのだが？」
するとお妃(きさき)が答(こた)えました。
「私(わたし)も自分(じぶん)より大切(たいせつ)なものが見(み)つからないのです」
――これではお釈迦(しゃか)さまの教(おし)えと違(ちが)っているではないか――
二人(ふたり)はすっかり悩(なや)んでしまいました。
そこで二人(ふたり)は、お釈迦(しゃか)さまに教(おし)えをもとめたのです。
するとお釈迦(しゃか)さまは、こうお答(こた)えになりました。
「自分(じぶん)より大切(たいせつ)なものなんて、この世(よ)の中(なか)にはないんだよ。みんな自分(じぶん)のことを世(よ)の中(なか)でいちばん大切(たいせつ)だと思(おも)っているのです。自分(じぶん)を大切(たいせつ)と思(おも)うように、他(た)の人(ひと)も自分(じぶん)と同(おな)じように大切(たいせつ)にすればいいんだよ」