恵みの雨｜習学ガイド

お釈迦さまの
説いた教え
リターンズ

恵みの雨

　話し手：中部教区（青年担当）
三浦　克仁さん

（妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)薬草(やくそう)諭(ゆ)品(ほん)第(だい)五より）

この地球(ちきゅう)上(じょう)の山(やま)や川(かわ)、谷(たに)や平野(へいや)にはたくさんの種類(しゅるい)の草(くさ)や木(き)があります。
マツやスギのような大(おお)きな木(き)もあれば、タンポポや、それよりもっと小(ちい)さい草(くさ)もあります。
上空(じょうくう)に暗雲(あんうん)が広(ひろ)がり、雨(あめ)が降(ふ)り出(だ)すと、雨(あめ)は、どの木(き)、どの草(くさ)にも、同(おな)じように降(ふ)り注(そそ)ぎます。
大(おお)きな木(き)にはたくさんの量(りょう)の雨(あめ)が降(ふ)って、小(ちい)さな草花(くさばな)には少(すこ)ししか降(ふ)らないということはありません。
しかし、平等(びょうどう)に雨(あめ)の恵(めぐ)みを受(う)けても、その雨(あめ)を受(う)ける草(くさ)や木(き)は、それぞれに性質(せいしつ)があり、生長(せいちょう)のしかたも一(ひと)つ一(ひと)つ違(ちが)います。
雨(あめ)が止(や)んでから、すぐに新(あたら)しい芽(め)を出(だ)し、花(はな)を咲(さ)かせるものもあれば、長(なが)い時間(じかん)をかけてゆっくりと生長(せいちょう)していくものもあります。
自分(じぶん)に合(あ)った生長(せいちょう)のしかたで、美(うつく)しい花(はな)や実(み)をつけていくのです。
雨(あめ)を降(ふ)らす雲(くも)は「お釈迦(しゃか)さま」、雨(あめ)は、お釈迦(しゃか)さまがお説(と)きになった「教(おし)え」です。そして、草木(くさき)は「私(わたし)たち」を表(あら)わしています。
お釈迦(しゃか)さまの教(おし)えは、誰(だれ)にでも平等(びょうどう)に与(あた)えられています。
お釈迦(しゃか)さまから見(み)たら、私(わたし)たち人間(にんげん)も、すがた形(かたち)の違(ちが)う草木(くさき)と一緒(いっしょ)です。
太(ふと)った人(ひと)、やせた人(ひと)、背(せ)の高(たか)い人(ひと)、低(ひく)い人(ひと)……体格(たいかく)だけでもこれだけの違(ちが)いがあります。
また、活発(かっぱつ)でスポーツが得意(とくい)だったり、おとなしい性格(せいかく)で読書(どくしょ)が好(す)きだったりと、性格(せいかく)や得意(とくい)なものも違(ちが)います。
私(わたし)たちが、草木(くさき)と大(おお)きく違(ちが)うのは、体格(たいかく)や性格(せいかく)、能力(のうりょく)を、人(ひと)と比(くら)べて卑屈(ひくつ)になったり、逆(ぎゃく)に自慢(じまん)げになったりしてしまうことです。
草(くさ)や木(き)は自分(じぶん)が大(おお)きいとか小(ちい)さいとか、そんなことは知(し)りもせずに、自分(じぶん)の性質(せいしつ)をすくすくと伸(の)ばして育(そだ)っていきます。
この世(よ)は、違(ちが)う人間(にんげん)が集(あつ)まって成(な)り立(た)っています。
だめな人(ひと)は一人(ひとり)もいません。みんなこの世(よ)にたった一人(ひとり)の尊(とうと)い命(いのち)です。
自分(じぶん)のよい性質(せいしつ)を伸(の)ばして精(せい)いっぱい生(い)きていくことの大切(たいせつ)さを説(と)いたお話(はなし)です。