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お墓の引っ越しと墓参り

 中学生の時に父を亡くし西日本の田舎に一人っ子で育った私は、大学卒業後、東京に就職しました。その後、結婚し、家庭を持ちます。三人目の子どもが授かった直後、母が亡くなります。先祖代々のお墓は田舎に残したままだったので、母の一周忌を機に、東京近郊に墓を移そうと決意しました。35歳の時です。

 墓地を探すにあたって、職場のある先輩から、私の長男に墓の場所を決めさせるように促されます。当時、長男は3歳!しかし、先輩の言葉に従い、長男を連れて、あちこちの墓苑を歩き回りました。ほどよく、自宅近郊の山の中腹にある墓苑のなかの、最も高い墓域で、端から数墓ほど内側に入った墓地を長男が“ここがよい”と言ったため、そこに決めました。場所が決まれば、建墓の開始です。

写真:ライター家のお墓

 わが墓地は、南東向きで、太陽の光が燦々と当たります。先祖墓を正面に、右側に先祖墓より少し高い供養塔、左側に墓誌が配置されています。田舎から先祖代々のお骨を持ち帰り、母の一周忌に納骨を行いました。墓石の後ろ面に、私の本名を刻みました。代々の先祖が受け継いできた命の流れを大きな責任とともに感じたところです。

 私たち夫婦は、年間6回、春夏秋冬と両親の祥月命日(亡くなった月命日)前後には、必ずお墓参りをします。長女と次男が独立した後も、同居する長男は自分一人でも、お墓参りを欠くことはありません。妻の実家に行った際にも、私たち家族は、まずはお墓参りです。とても、有難いことです。

 わが家のお墓参りは、まず、近隣のお墓にお線香を供えることから、始まります。あの世で、ご先祖様がお世話になっていると感じながら、念じます。それから、先祖墓と供養墓を新品のタオルで拭きます。墓地に生えている雑草を抜きます。妻は、お花を整えます。子どもたちが同行する際には、自ら率先して行ってくれます。お花、お酒、好物だった食べ物、そしてお水を供えます。

 さらに、わが家の場合は、幼く亡くなっている子(ご先祖様の水子)のために、必ず牛乳を供えます。最後にお線香を供えます。そして、必ず墓前でお経を唱えます。日頃、お経をあまり唱えない子どもたちですが、墓前では必ず読経します。有難いことです。終了後、一同で、再びお線香を供え、お水を先祖墓と供養塔、墓誌にかけて、ご挨拶を行います。一連のお墓参りが終わり、帰宅の途に着きます。

 お墓参りは、とても有難く、毎度、清々しい気持ちにさせていただけます。

ライター:正晴

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